並の軍隊ならば全滅するであろう程の、国連軍のハイテク兵器による先制攻撃が終わった。

だが、国連軍の兵士達は皆知っている。

これだけの攻撃を加えても、AOKは一匹たりとも死なない。

大きなダメージを受けて肉片に成り果てたとしても、人類の通常兵器ではAOKを仕留める事は出来ないのだ。

如何なる強大な武器を持っていたとしても、最後の切り札は歩兵による白兵戦に頼るしかない。

「よっしゃあ!俺達の出番だぜ!」

対AOK弾を装填した銃を手にした歩兵部隊達が、次々に、我先にと基地を出撃する。

彼らの顔に恐れの色は見られない。

皆わかっているのだ。

この戦いが最後になる。

この戦いで終わるのだ。

人類が勝利して終わるのだ。

希望を掴みに行く為の戦い。

その戦いに、何の恐れなどあろうか!

「恐れるな!誇りを捨てるな!」

出撃する兵士達を鼓舞するように、グローレンが叫んだ!

「人類の未来と希望、この一戦に有り!散る為ではない!己の明日の為に引き金を引け!」