と。

「彼の事を化け物呼ばわりしないで」

ルシファーを庇う旨の発言をしたのは妃だった。

「何が違う?」

蒼真が妃に鋭い視線を向ける。

「AOKの臓器を体の中に詰め込まれているんだ。化け物以外の何物でもないだろう」

「それが事実だとしても、彼だって好き好んでそんな体になった訳じゃないわ」

蒼真がルシファーを蔑む事を、妃は必要以上に嫌っているようだった。

初対面だというのに、妃がルシファーの肩を持つ理由がわからない。

蒼真に限らず、アレクセイもシオンもそれを不思議に思う。

「あんたに同情される謂れはないね」

庇われた当人であるルシファーでさえ、妃の言葉を嘲笑うように言った。

「何であんたが僕を擁護するんだい…もしかして惚れちゃったとか?」

からかうようなルシファーの言葉。

それにさえ、妃は反応できないほど余裕がなかった。