「ほざけ…!」

ルシファーの腹に蹴りを入れて引き離す蒼真。

よろめくルシファーに対し、更なる追撃を加えようとするが。

「やめてくださいっ!」

蒼真の二刀を、すかさず抜刀したシオンが止める!

(この女…!)

蒼真は内心舌を巻く。

割って入ってくる気配も感じさせなかったし、蒼真の本気の斬撃をその細腕で制止させた。

シオンと鍔迫り合いの状態になりながら、蒼真は彼女の実力を瞬時に把握していた。

シオンはそんな事など知る由もない。

「これから仲間として一緒に戦う事になるのに、何でこんな殺し合いなんかするんですか!」

「仲間?」

シオンの言葉を嘲るように、蒼真は冷ややかに言う。

ルシファーを一瞥しながら。

「こんな化け物と轡を並べては、死んだ妹に申し訳が立たない」

彼は侮蔑の言葉を口にした。