睨み合いはほんの刹那。

蒼真は再び二刀を別々の生き物のように動かしながら、ルシファーの細首を断とうと襲い掛かる!

「ひゃはっ!」

命を狙われている。

その事にすら愉悦を感じているかのように、ルシファーは蒼真の剣をかわした。

蒼真は『双剣の神』の異名をとる剣の達人。

だがその常人離れした戦闘能力も、人間の範疇を超えた能力を持つルシファーの前ではやや霞んで見える。

それでも。

「滅べ…禁忌の命…!」

ルシファーの予測以上の動きを見せた蒼真の軍刀が、ルシファーの肩口を捉える!

「ぬぐっ…!」

ルシファーの顔色が初めて変わった。

食い込む刃。

滴り落ちる血液。

振り下ろされた蒼真の軍刀を素手で掴み。

「お前…僕を殺してくれるかもな…!」

ルシファーは恍惚とした笑みを浮かべた。