挙動不審とも取れる動き。

カタカタと震える腕をギュッと掴んだまま離さず、何度も唾を飲み込んだり、明らかに動揺しているかのよう。



「――そういえば、小耳に挟んだのですが。 以前、此処には相当の手足れな方がいらしたとか?」

ああ、面白い面白い。

山南を揺さぶれば、何かボロが出ると思った。

新撰組という、今や大きな組織の些細な亀裂をいたぶり追い込む。


「……ッ」

「しかし、肝心なことが分からない。 山南殿、何故その方は新撰組から消えたのですか?」


ギシッと床が軋む。 山南はビクリと肩を揺らした。

気づけば、白く整った顔が己の真横…顎が肩に乗るくらいの近さに寄せられていた。



「クスッ。 …消された、の方が正しいのかな?」


もう身動きすら出来なかった。

言葉もでず、息をするのもキツい衝撃が山南を襲う。



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