すごく強くて、女の子といつも一緒にいる人。



そんなの一人しか思いつかない。



違ってほしい。



そんな願いだけを心の中で何度も唱えた。



「あと俺に、“まだ始まったばかりだ”って言えっていわれたっぽい」


挑発的な言葉。


嫌でも二人が誰なのかを知らされているような気がする。


「直は無事か?」


「まぁ、生きてるよ。気失ってたみたいだけど、今は覚めてるらしい」


よかった……



「なぁ、放課後、3人で見舞い行こうぜ」


大地にしては力がこもっていない。



だから、うなずくことしかできなかった。



あたしはまた、友達を傷つけているのに。