急いでみんなの元に行けば、脱力して座り込んでいた。



やばい、泣きそうだ……




「美羽……」

「海……」


美羽の元に一際ぼろぼろの少年がやってきた。


「大丈夫か?」


美羽は頷く。

こぼれそうになる涙を堪えながら。


海の方が大丈夫じゃない。

自分より人のことを先に考える癖がある海。


そこが好きだ。



そして美羽は決意した。




「みんな頑張って聞いて!」



力の限り大きな声で叫ぶ。