すぐに声が聞こえた。 「送ってく」 「いらない」 「この前みたいにナンパされんぞ」 「されない」 「それはおまえが決めることじゃない」 各務紫苑とのくだらない会話。 本当にくだらない。 「まぁ、遠慮すんな!」 遠慮じゃねぇよ。 あたしはただ一人になりたいの。 誰かを巻き込むのは嫌だし、怖い。 あんな思いは一度でもしたくはなかった。 でも結局は家の近くまで各務紫苑はついてきた。