「……知ってたら?」
震えないように必死に言葉を紡いだ。
「教えてほしいですね」
「知らなかったら?」
「そのときは自分達で探します」
探す気なんだ……
「何で探すの?」
ただ気になった。
「俺たちの目標だから」
その問いには各務紫苑が答えた。
「強くて、でも力をひけらかしたりはしない。姫ってくらいだから、女なんだろうけど、関係ない。ただ会いたい。それで聞きたい」
一番大事なことを聞いた。
「何を聞くの?」
「……いきなり総長をやめ、姿を消した理由」
何も知らないから言えることなんだよ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…