捕まれた腕。
その力はゆるむことを知らない。
「おれらが怖くないのか?」
紫苑の髪は金に染められ、耳にはたくさんのピアスホール。
顔には絆創膏がひとつ。
整った顔立ち。
見た目で人を判断しない。
それに、美羽が総長をやっていた、金龍にもこんなやつはいたから、みためなんか怖くも無い。
でも……
「ちょっとこわいかな……?」
嘘を吐いた。
離れた腕。
「あっそ」
いっきに遠ざかった声。
美羽は自分から関わらないように努めた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…