捕まれた腕。


その力はゆるむことを知らない。



「おれらが怖くないのか?」


紫苑の髪は金に染められ、耳にはたくさんのピアスホール。


顔には絆創膏がひとつ。


整った顔立ち。


見た目で人を判断しない。

それに、美羽が総長をやっていた、金龍にもこんなやつはいたから、みためなんか怖くも無い。



でも……



「ちょっとこわいかな……?」



嘘を吐いた。




離れた腕。





「あっそ」



いっきに遠ざかった声。




美羽は自分から関わらないように努めた。