その日、紫苑はたた゛街をあてもなくブラブラと歩いてあただけだった。 こんな休日に、ただあるいているだけの高校生なんて、いいカモだ。 たまに、柄の悪い奴に捕まる。 まぁ、自分もはたから見れば十分柄は悪いが…… 「なぁ――――」 耳に届く聞き覚えのある声に、紫苑は素早く方向転換した。