「ナイス挨拶」


親指を立てられた。


「ど、どうも」



とりあえずお礼を言っておこう。


するとまた笑われた。


「そこ喋ってないでちゃんと教えてやれよ!長谷川は放課後、職員室な!」


そういって兄、和真は出ていった。




「ねぇ、隣って空席なの?」


不思議に思ったら聞いてみよう!


大地は少し考えるフリをしてから言った。


「いるよ!そこの席の住人はとっても変な人なんだよ!」

「おい、大地。言いたい放題だな」


「げっ!」


どうやら隣の席の住人がやってきたようだ。



振り返ってみれば、そこにはあのとき、道を教えてくれた人。



「あ、」
「あ゛?」



ひどい返しだ。



「何?知り合い?」


大地が楽しそうに聞いてきた。



「さっき職員室教えてもらった」



「あぁ、あのあほか」


どこで納得してやがるんだ!