「手伝ってけ」




部長という結構大事な職につきながらも、柔軟な考えを持つ父は、潤平が忘れ物を届けにくるたびに、仕事を手伝わせる。




彼は潤平がすでに使える人材であることを知っている。




「パソコンが二台ほどウイルスに感染したらしくてね。困ってたんだ」



このオフィスにはパソコンにウイルスバスターを入れるということすらしていないのか。




「……はいはい」