とぼとぼ歩いていればすぐにむつかる大きなビル。 そこの受付けのお姉さんに要件を告げればすぐに通してくれる。 毎週のことだから。 楽なのだが、複雑な気分。 そして父のオフィスに行き、お弁当を届けると、すぐに帰ろうとする。 「まぁ、待て」 なにが、まぁ、待てだ。 「……何?」 くそう。 俺が基本的に教育されたのは、呼ばれたら振り向く。 いやな予感は的中するのに、振り向いてしまう。 最悪だ。