起きるとお昼を回っていた。
「おそよう」
仕事が休みらしい親父が声をかけてきた。
「おぉ」
「お前、ただでさえでかいのに、まだ寝るのか?」
寝る子は育つとかいったやつが憎い。
別にねたから伸びたわけじゃねぇ。
遺伝だ。
「親父の遺伝だろ。でかいのは」
「違う」
いや、確実にあんたの遺伝だよ。
「母さんと父さんの遺伝だ」
親父はどうやら遺伝のなかに母さんが入っていなかったのが気に入らなかったらしい。
「どっちでも一緒だし」
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