きぃに連れられて入ったのは
ソルトと出会ったカフェ。



今度は窓際ではなく、
二階の奥側の、ちょっとした個室みたいになっている席に、案内された。


ソルトをテーブルに降ろすと
(きぃが肩に乗っけていたから)椅子をひいて、



「どうぞ。」



と紳士風に私を促した。


普段しないきぃの行動に
戸惑いながらも


ありがとうと
席についた。
ソルトは既に角砂糖を
両手に頬張って
スタンバイしていて
私は自然に微笑んだ。



そして気付く。




まだ私、緊張してるんだ。




手を繋いでた時は気付かなかったけど、微かに手がふるえていた。




きぃが向かい側に座って
コートを脱いで
隣のいすにおく動作を
ただただ眺めていた。



そしてきぃがソルトをちらりとみて私に目をむけた。