「出来れば、移動…したい」


弱々しく俺の顔を見ないで言う彼女。


『いいよ。じゃあ行こっか』


そう言って、教室から静かに出た。


廊下を歩くとチラチラ集まる視線。


俺らは体育館裏に着くと、足を止めた。



『何かな』


このあとの展開がわかっていてもそう言ってしまう。

それは癖で、当たり前のように俺の生活の一部になっていた。


「あ、えっと…」


しどろもどろになって目がキョロキョロしてる彼女。



そんな彼女をただ、見つめる。



「……あのっ……」


そう言って上げた顔。

何度見ても、美人。

でも…なんか。莉音ちゃんのが可愛い。


莉音ちゃんは女の子独特の雰囲気も持っていてトータルして可愛い




「好きなの…あたし…ナツくんのこと…!」


名前も知らない奴に告白されるって
何ともへんな気分になってくる。


まあ…今に始まったことじゃないが。