『ストーカーなんかと一緒にすんな』


「いやー、毎日見つめてたら相手はストーカーと勘違いすんぞ。」


『……』



そんなうるさい健二を放っておいて俺は彼女をまた見つめる。


今はお昼時間で、
友達と机をくっつけて話しながら弁当を食べている彼女。



ナチュラルなブラウンの髪が風になびかれサラサラゆれる。

大きいクリクリとした瞳。

決して高いとは言えない鼻。

ぷるん、とした美しい唇。

透き通るような白い肌。

細い脚、腕。小さい顔。



自分から前に出るようなタイプではないが、
暗いわけじゃなくて、話かけたら笑顔で返してくれるような子だ。



そんな彼女に惹かれているのは俺だけではない。

いつでも優しく、誰にでも平等に接してくれる彼女に惹かれる人は多いだろう。


そんな彼女は、篠田 莉音。

名前まで可愛いなんて思ってしまう。



「おい、ナツ!!」


『………あ?』


二度目、俺が彼女の見つめを邪魔された時
ついに俺は健二を睨んでしまう。

「おいおい、怒んなよ。あれ…お前呼んでるぞ」


ドア前に指を指しながら言った。

視線を莉音ちゃんからドアの前の女に視線を向ける。



第一印象は「綺麗な美人」

黒髪の巻き髪に口の近くに一つほくろ。
ナチュラルメイクに小柄な体型。


彼女の所に行くと甘い甲高い声が聞こえた。



「…あ、な…ナツくん…」


『…俺に用事?』


正直、面倒くさかったし…俺は彼女を見ていたかった。