すとん、と椅子に腰を下ろした彼女。



「えっと、ナツくん…よろしくね」


男の子にきっと不慣れな彼女はぎこちなく、それでも一生懸命喋ろうとしている彼女に胸がきゅ、と締め付けられる。



『よろしく…莉音ちゃん』



「あ、はい…」



そう言うと、伏し目がちになった彼女。


横顔から見た彼女はまた格別だ。



しん、となった雰囲気をどうにかしようと話だそうとした時。



「莉音ちゃんは…」



「おいっ、なーつ♪」


俺の前の席の健二が椅子を不安定にさせて俺を呼んだ。