「あ、あとお嬢さん。必要なのあったら、他の服もクリーニングかけとくよ。衣替えで出したコートとか」

「あら、それはまだ大丈夫よ」

「一着も二着も変らないって。ついでついで」


恵理夜は首をかしげながら春樹に目配せし、クローゼットの衣装を出させた。

非常にかさばるコートやワンピースが数着ほど取り出された。


「じゃ、二人で楽しむのもいいけど、夕食には遅れるな……ぐえっ」

「あなたこそ、これを解いていて遅れた、なんていい訳にならないわよ」


恵理夜は、服で夏樹をがんじがらめにしながら再び部屋を追い出した。