だからと言って、俺があーだこーだ言う権利はないから気にしないようにしていたけど…二回、三回、四回。


会う度に、女は色んな男と出歩いていた。



「…流石の俺でも、覚えるっつ―の。」

「ぁ?さっきから、何ブツブツ言ってるんだよ?」

「何でもねぇよ…さっさと、準備しよ―ぜ。」

「変な、拓也。」



俺の名前を言った男は、山本一成。
体型も顔も少し似ているが、まだ一成の方がモテる。
中学からのダチであって、親友でもあり。
なにより、一緒に音楽をやっている最高の相方だ。