そして始業式で、あたし達の担任は、男らしい女の先生だということが発覚した。



あだ名は『須田ちゃん』。『ちゃん』を付けたのは、本人の希望で女らしさを残したいからだとか。



須田ちゃんの初LHRが終わり、解散の合図が出てるとみんなは帰る準備にとりかかった。



「じゃーな、遥」



そう言って教室を出た一馬くん。あ、バイバイって言う前に帰っちゃったな。



「遥、久々にラブリーに寄らない?」



「行く行くー!あそこのハンバーグ美味しいもん」



「ちょっと待ったぁっ!」



あたし達の会話を遮るように入ってきた声。麻衣が小さくため息をつく。あたしは首を傾げる。



「2人とも、ラブリーよりさくら花に寄ってけよ!」



「…嫌。あんたん家の店でしょ?遥、ほっといて行こっ」



「う…うん」



「頼むよ永納ー浅井ー!じゃないと俺、店の手伝いさせられるぅ」