「あ、うん。わかった。美羽悪いけど先行っといて!」


「そ…」


あたしはぎょっとした

…本気か!?




「…あら、…そぉ。ごゆっくり…」


そう言ってあたしはその場から逃げるように走り去った




信じられない!!

章ちゃん、あたしじゃなくて寺田に夢中なんだッ

もういいもんっ!



「うっ…ぅぅッ…」

もつれる足を引きずりながら、

涙を拭きながらあたしは廊下を走った。

夢中で走った。