「なっ…で、しょっ…ちゃんも、泣いてるよぉ…に見えるんですけど…」



「あほかっ、泣いてへんわッ!」

ってあたしを離して、うつむいて涙をふいてた。



「何で章ちゃん泣いてるの……?」


「や…、だから泣いてへんってゆってるやんっ……ほら!」


こっちを向いた章ちゃんの目はまだうるうるしていた。


「…章ちゃんは…可愛いねぇ……」


「?!かわっ…」


あたしはふぅっとため息をこぼした。


「とりあえずトイレ出よぉよ、章ちゃん変態じゃん」


そう言って章ちゃんをトイレから出るよう促した。

けど

なぜかなかなか出ようとしない章ちゃん。


「じゃあ美羽は何で泣いてんのっ??」


首をかしげてキョトンとする章ちゃん。



「…だって…」

章ちゃんは、
目をそらしてふてくされているあたしの頭をわしゃわしゃと撫でた