ピーンポーン


「あっもう章ちゃん来た!いってきます!!」

「いってらっしゃ~い」


毎日あわただしいあたしの朝。


ドタドタと廊下を走って玄関のドアを開けた。

「章ちゃん、おはよ」

「おはよー!今日もぼさぼさやなあ!!」

「ほっといてよっ」

ただでさえぼさぼさなあたしの髪をわしゃわしゃと撫でて笑う章ちゃん。



あたしの彼氏の章ちゃんは
去年、大阪から引っ越してきた。

あたしたちは一目惚れしあって付き合ったわけだけど、
私はいつもにこにこ可愛い章ちゃんの笑顔に惹かれたの。
告白してくれた時はすっごく嬉しかった…

……でも、



――あたしには勿体ないかも。

最近そう思う事がよくあるの……

女子にも人気あるし…




「…美羽?」

章ちゃんが顔を覗き込む。

「あっ、ごめん、いこっか」



彼氏と二人で手をつないで登校する。
みんなからは冷やかされる。
それが幸せを感じる瞬間なの…