「困ってる人を見捨てたりなんかできないでしょ」

私は、夏美の言葉に驚いた。
私は、困っている人を見ても助けたりなんか絶対しない。
だって、人が嫌いだから。

…でも夏美は曇りのない瞳でそう言った。

私は少しだけ夏美という人間が怖くなった。
でも、同時に惹かれた。

「なにそれ。お人好し?」
私は嫌味っぽく言った。

そうすると夏美は、

「あー、そうだねお人好しなの。私」
夏美は笑顔で言った。