良いことも悪いことも両方を上手に教えてくれる人。
この人となら、大丈夫だと安心感をくれる人。
泣くのは嫌いだった。
ぶりっ子みたいだから嫌いだった。
慰めてもらう前提に涙を流すしたたかさが嫌だった。
彼はどう思ったのだろう。
なんだか怖くて聞けないけれど。
付き合う前の一喜一憂な感情やドキドキした味も、あの瞬間だけで、
どんなに懐かしんでも未来を見ることしかできない。
黙って歩く道、やっぱりピアスのことを考えた。
普段家に帰ってピアスを外すのは自分だし、美容院で施術前にピアスを外すのも自分だし、
つまり、靴下を履くように自分でしかピアスを取り扱うことはなかった。
ピアス。
いきがってたのか、謎。
キラキラした大人の女の人が憧れだった?