「私……お腹すいた」 背中に張り付くシワが寄ったブラウス、首の後ろで縺れた髪の毛。 全部、二人の内緒。 「あはは、俺も。何か食べれば良かった」 お腹がすいたと笑う顔は子供みたいに可愛い。 馬鹿みたいだなと思った。 自分は馬鹿だと思った。 ピアスホールに愛を囁けるのは、彼だけがいい。 そんなことを思うなんて馬鹿だなと思った。