「あっ、それ!

それだよ、あたしのシャーペン!」




ピンクのシャーペンを手に取った俺に気づいて、バタバタと勢いよく駆け寄ってくることり。



本当に、慌ただしい。




別にゆっくり歩いてくればいいのにと、そんなことを思いながら、ことりに無言でシャーペンを手渡す。




「わー!さすがだね!仁くんは!

どこにあった??」




大げさな反応に、大げさな声の大きさ。



若干うるさいけど、ことりの気持ちが伝わるから、俺は嫌いじゃない。