「あの歌は母さん! レスキューの皆さん。こっちです。あの声! 家族は諦めてはおりません。助けを求めております! どうか!」


 後からきいたら、相当危ない救出劇だったそうで、ボクはあとで何度も記者会見で同じ事を聞かれた。



「怖くなかったですか?」



 無骨なマイクが、集音器が突きつけられる。

「両親に再会してどう思いましたか?」
 くだらないの極地だ。



 きかれるたび、ボクは泣いた。