その日の夜、私はふと思い出した。


『音梨が死んだら、その日の夜空見てよ。……ネリの空』


私は、空を見上げた。


雲一つない、キレイな空に満月が浮かんでいる。


別に、そこまでキレイなわけじゃないのに、すごく感動した。


「……これが、ネリの空なんだね…」


私は泣きながら笑った。


泣いちゃダメって言われたって、泣いちゃうよ…


「音梨、私は元気だよ。音梨の分まで生きるよ。音梨のために笑うよ…。だから、音梨も笑っててね」


私は、また笑った。


音梨。


あなたは誰よりも笑顔の素敵な女の子でした。


音梨。


あなたは誰よりも輝いていました。


音梨、あなたは


誰よりもすばらしい人生をおくりました。


私はいつでも
 ネリの空を
  見上げています…。



-fin-