〔音梨が死んでも、泣かないで下さい。笑って。私の分まで生きて。

  音梨は元気です。〕

「音梨ぃ…」


今思えば、音梨が待ち合わせに遅刻してくるのも、息が苦しかったからじゃないの。


今思えば、音梨が国語の時間で『みなさんは、死について考えたことはありますか?』と言ったのは、もうすぐ自分が…。


今思えば…ううん、ダメだ。


ありすぎだよ…


なのに、なんで私は気付かなかったんだろう…。


なんで気付いてあげらんなかったんだろう…。