「そんなのヒドイっ!!」


私は、気付いたら大声をあげていた。


「そんなの、ヒドイじゃないですか…。なんで、音梨があと少ししか生きられないって決めるんですか…」


「あと少し、か…。きっと音梨は、今頃…手術をうけている。心臓のほうのね。でも、助かる可能性は…」


そこまでいい、田中先輩は涙を流した。


「音梨が助かる可能性は、ないんだッ…」


頭の中が真っ白になる、というのはこういうことか。


今の私には、何も考えられなかった。


「音梨はね、生きたかったんだ。精一杯生きて、後悔しないように」