でも私は、平然を装った。


「えー?音梨もソースなの?仕方ないなぁ…」


私は、冷蔵庫からソースを取り出した。


「音梨にだけ特別にあげるよ」


「なっ、ユウリひどっ!!ソースあったのかよ…」


「そりゃあね?ってかソースおいてない家なんてあんの?」


「えぇ…。知らんよそんな」


「もう、登はバカねー。ない家なんてあるわけないでしょ。世の中バカにすんなよ」


「いや、お前のがバカにしすぎだから」


よし、大丈夫大丈夫。


けっこう普通に話せてるよね、私?


でも、


「音梨はどう思う?」


登が、音梨って呼ぶと私の思考回路は停止する。


だって、胸の中がモヤモヤするの。


このとき、音梨がいなくなっちゃえばいいのに…


私は、最低なことを思ってしまった。


結局、目玉焼きのことを喋ってるうちに時間は過ぎていき、音梨は帰った。