ピンポーン
あ、音梨だ。
「あがって~」
「おじゃまします…」
音梨は、緊張気味のようだ。
「あ、目玉焼き焼いたんだけど食べない?」
「食べるー!!」
リビングに戻ると、置き去りにしてしまった登がいた。
「あ、長谷川くんこんにちは」
「ちはーっ」
挨拶をしている間に、二人をの前に目玉焼きを置いた。
「醤油しかないけど、いい?」
「もちろん。でも私は、ソース派だなぁ」
「お、やっぱり!?やっぱ音梨もソース派か。ほらな、ユウリおかしいんだよ」
私は、登の言葉に少しムッときた。
ケチつけられてることにじゃなくて、登が
“音梨”
と呼んでいることに。