国語の、『○○について考えよう』っていう作文で、音梨はこう言った。


『皆さんは、死について考えたことがありますか?』


と。


私は考えたこと、ない。


あるわけがない。


だって、こんなに元気なんだもん。


しかし、その日の帰りに音梨は言った。


『ねぇユウ。私が死んだら、泣かないで。笑って。で、私の分まで生きてね』


そう言われた。


だから私は


『そんな、何年も先のことじゃない。忘れてなかったらね』


そう言った瞬間、音梨は少し暗い顔をして笑った。