そして和樹が戻ってきたけど、
宮下は何事も無かったかのように
平然としていた。
その後、検査があった。
あと1週間もすれば退院出来るそうだ。
そして二人が帰るとき。
「今日はありがと」
「いいって。
でもその代わり、
今度から何かあったら
すぐに俺に言えよ」
和樹が私の髪をクシャっと撫でながら言った。
「早く元気になって
また保健室来いよ」
宮下は、にやっと笑いながら言った。
「え、先生。
それは...いいのか?
生徒にサボれってことで..」
「ちげぇよ。
昼休みとかの話ですー。
サボリに来たら追い返すからなっ」
ビシッと私に人差し指を向けた。
「いつも追い返してないけどね」
私が保健室に行く理由はほとんどサボり。
だけど宮下は追い返さない。
サボリだって気付いてないのかな...
「お前っ...!!
いつものはサボリなのかっ?!」
「え、うん。
知らなかったの...?」
隣では和樹が爆笑していた。
宮下は人差し指を開いて
私の頭をぺちっと叩いた。
「今度から入れてやんねぇー」
そう言い残すと背を向けて歩き出した。
「えっ、嫌だ!」
私が言うと、くるっと振り返った。
「嘘、来ていいよ。
待ってるから」
そして優しく笑うと車に乗って行ってしまった。
「え!ちょっ!
乗せてくれるんじゃねぇの?!
俺はどうすればいいわけ?!」
一人取り残された和樹は慌てていた。
私は宮下の言葉に赤面していた。
そして早く元気になろうと思った。