「あ、あの……私、」
次は私が沈黙を破った。
そしてベッドから覚束無い足取りで出た。
「あ、えと……」
何を言おうか戸惑っていた時、
いきなり宮下が手首を掴んで自分のところへ引き寄せた。
「み、や……苦し…っ」
苦しいほどに私を抱きしめた。
「…生きてて良かったっ」
搾り出すように宮下が言った。
「1週間も意識戻らないから…
心配で、心配で……」
私のことを心配していてくれたんだ…
そして私を体から離して、優しく髪を撫でた。
言葉が要らない時間…。
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