しばらくして宮下と先生が病室に入ってきた。



「気分はどうですか?」


「……平気です」





「お前、1週間意識が無かったんだぞ」

隣で和樹が言った。


「ホ、ホントに…?」

私がいうと宮下も先生も頷いた。


「強い衝撃があたったと
 思われるので仕方が無いでしょう。
 もう少し様子を見るので、
 しばらく入院してくださいね」

そしてあとで検査をします、と言って病室を出て行った。








しばらく沈黙が続いた。


それを破ったのは宮下だった。




「……何があった」







その言葉にドキッとした。


今は考えたくなかった…
だけど宮下も和樹もあの日のことを知りたいんだ






「…お…お兄、ちゃん…が……」


掠れた声しか出なかった。










あの事を鮮明に思い出すことが出来る。

お兄ちゃんの顔も、声も。

痛みも…恐怖も……


自然と体が震える。