チュンチュンと小鳥が鳴いてる。
気持ちいい日差し。
こんなに幸せな目覚めはない。

あぁ、そうだ。
ウチは“姫”なんだ。

結局…
理由は分かんないけど。

『姫様、お目覚めの時間ですよ』

気持ち悪いほど爽やかな声。
げっ、あのリスか。
うぜぇ~わ、ホンマに。

…って、んっ?

何この人!?
やばい、超イケメンじゃん!

リスなんかと違ってさ。

『姫様、今日から学校です』

イケメンはウチにそう言って、
レッドカーペットを敷いた。

もしかして
あのリスがクビになって
執事がこの人になったとか?

期待を弾ませて
ウチは質問してみた。

『あの~、お宅さんはどちら様ですかぁ~?』

『プッ』

鼻先で笑われた。
恥ずかしい…

『まぁ、見てみれば分かりますよ』

そう言って
イケメンは上着を…

キャー!

喜んでたのも
一瞬でピリオドを打つ。

目の前の信じられない光景に

『…は?』

ウチは声を漏らした。

目の前に居たのは
昨日のうざいリスだった。