雨音と車の走る音の中、翔が先に口を開いた。

翔『ちょっと謝ろうと思って来てみただけなんだ。じゃあ。』

その顔つきは昔と変わってなく、美紗子のタイプの顔。

優しい性格、翔の口癖、色んなことを思い出した。

”引き止めたい”

そう思ったが美紗子は言えなかった。

美『うん、じゃあね。』

そう言って駐車場まで雨の中ダッシュで走った。

今、考えていることを吹っ切るかのように。

”翔を引き止めたいなんて思うとかありえない!!毅くんのこと昨日わからないって言っておきながら。わたし気が多すぎ・・”

そう思いながら走った。

キーレスで車の鍵をあけ、ドアを開けようとしたときに後ろから走る足音が聞こえた。

美紗子が振り向いてみると翔がいて、翔は思いっきり美紗子を抱きしめた。

傘もささず2人はしばらく抱き合っていた。

そしてキスをした。