美紗子は正直友達が多いわけではないのでほとんど直帰だった。

会社の同僚にも飲みに行ったり、遊んだりする人もいるけど毎日仕事で会っているので毎日は遊ばない。

”彼氏でもできたらおもしろいんだろうけどな。”

そう思いながら1日を終え退社した。

会社を出ると雨。

”天気予報、傘いらないって言ってたのに!!”

そう思うとあのオフ会の日のことを思い出した。

”あの日も天気予報ハズレの雨だったな。”

ちょっとだけ思い出し笑いをしてしまった。

『美紗子。』

誰かに呼ばれて振り返った。

そこにいたのは翔だった。

取引先の人で美紗子が一目惚れをして付き合った相手。

そしていきなり消えた相手。

噂では辞めて田舎に帰ったと聞いた。

でも本当は百合が嘘を言って気まずくて連絡を取らなくなった。

そして本当は会社を辞めていなかった彼。

美『翔・・。ひ、久々だね・・』

翔『タケルに聞いた。百合ちゃんから聞いたの、違うって。』

”あぁ、そうだ。あの人の名前タケルだった。”

そう思いながら

美『そっか。なんかホントにごめんね。今さらだったけど連絡先わかんなくなって知らないから弁解も出来なくって・・』

翔『いや、俺こそ。いきなり連絡たって。すっげーあのとき頭きてて・・直接言いたかったけど、俺あのとき美紗子をめちゃくちゃにしそうだったから・・。ごめん。』

美『いや、もうそういうのいいよ。』

そう言うと2人とも黙りこんだ。