毅『ここまで来れば大丈夫っしょ。タクシー乗って帰りな。』

あんなに走ったのに毅は息が切れていなかった。

野球をしているだけあって体力がある。

美『ありがとう。ほんとにごめん。』

美紗子はかなり息切れしていたがそうしゃべった。

すると毅がもう行こうとしていたので

美『毅くん!』

美紗子は呼び止めた。

”まさか、告白とかしないよね・・”

そのとき毅はそう思った。

美『あのね、ずっと言わなきゃって思ってて。その百合のこと。ほんとにゴメン。わたしのせいで。』

”あ、そっちか。”

早とちりにちょっと毅は自分で自意識過剰だなと思った。そして

毅『いいっていいって。俺カラオケに友だちいるからもう行くね。気をつけて帰るんだよ。』

そう言って美紗子の頭をポンポンとたたいて毅は去った。

美紗子はたたかれた頭をさわって去っていく毅の後姿を見つめていた。