次の日、出社して淡々と仕事をこなした。

いつものように、伝票整理とかコピー取り。

土曜日のことを上司に詫びたが、全く気にしてなかったようでホッとした。

だが、内心はそれどころではなかった。

昨日は眠れなかったし、頭にあるのは毅と百合のことばかり。

会社を退社してすぐに百合に電話した。

6時。

この時間なら会社が5時過ぎまでの百合は残業でももう終わっている。

だが百合は電話に出なかった。

仕方なく家に帰り、ご飯を食べていると電話が鳴った。

着信は百合。

電話に出ると今から家に来るとのことだった。

その声はいままで聞いたこともないくらい冷たかった。

美紗子は急いでご飯を食べ、片付けて百合を待った。

どういうことなのかちゃんと聞きたかった。

”なにかの作戦なのかもしれない”

そう祈った。

【ピンポーン】

インターホンが鳴った。

百合が来た。