美紗子はその場を離れたくなかった。

信じたくなかった。

たった数ヶ月しか一緒にいなかったけど毅のことは本気で好きで本気でぶつかってきてくれて本気でぶつかろうとしていた。

こんなに守ってくれる人は美紗子はいなかった。

絶対に離れたくないと思っていた。

美紗子は毅に抱きつき大声で泣いた。

それ以外のことがそのとき出来なかった。

それは姫だって同じことだった。

特に姫は大切な人が亡くなるということは二度目・・

姫は自分のせいなのではとまた思い始めていた。

なにか、自分には取り付いているのかもしれないと。

そして暫くして、もっくんも静かに息を引き取ったことを知った。

さっきまで5人で笑いながら話し、飲んで楽しんでいたのに今は一体なんだんだろう。

”どうやったらこんな運命を受け入れることができるんだろう・・わたしたちはこれからどうすればいいのだろう・・”

そう思っていた。

美『一人には・・させない。』