毅は黙ったままの美紗子をしっかり手を握って3人のもとへ向かった。

美紗子は一言も喋らなかった。

3人のもとへ着いて誰が喋りかけても言葉を出さなかった。

言葉を出すと全て話してしまって軽蔑されそうな気がした。

”誰も失いたくない。嫌われたくない。でも傍にいていいのかな?”

そう思いながらずっと下を向いて毅に手を引かれたまま歩きタクシーに乗った。

そしてその日はずっと毅がついていた。

次の日は毅が仕事に行く時間頃に竜次に送ってもらって来た姫が1日中一緒にいた。

だが美紗子は一言もまだ言葉を出さなかった。

そんな美紗子に姫はずっと話しかけていた。

返事のない会話をしていた。