その瞬間、毅は立ち上がり、姫の前を素通りして美紗子を抱きしめた。

美紗子は驚いたが、毅があまりに力強く抱きしめるのでそれだけ心配を毅にかけていたんだとまた実感した。

何も言わず抱きしめている毅の肩に美紗子もソッと手をかけて抱き合った。

姫と竜次は目を合わせて微笑み、姫はソーッと竜次の横に座った。

そして毅が美紗子と離れて、美紗子の頭をポンポンとたたきながらまじまじと顔を見てきた。

毅『痩せた?』

美『第一声がそれ~??』

そう言うと後ろから

竜『記憶ないくせにー!!』

と聞こえてきた。

美『う・・』

そう言ってみんなで笑って美紗子と毅も座った。

そして姫がバッグから紙袋を取り出して本題に入った。

姫『あのさ、美紗子。実は翔くんが前にその・・中出ししたって前に言ってたのね。で、記憶もないことだしこれ、やってみない?』

姫はあれだけ考えていたがもうストレートに切り出した。

竜『おまえ・・だいぶ考えたくせにこの言い方かよ。』

そんな竜次を無視して姫は美紗子に紙袋を手渡した。

美『え?中出し!?されてないと思ったけど・・いつ!?』

そう言う美紗子に3人は黙った。

不思議そうにしている美紗子はなんかよくわからなかったが

美『うんわかった。やってみるのはいいけどさ、実はわたし言いにくいけど、今生理中みたいだけど?』

そう言うと姫は

姫『は!?ほんとに!?』

と大きな声で言った。

毅と竜次はこういう話題は入りにくいので黙って聞いていた。