Natural

黙って代わったので翔は電話の相手が毅と変わっているとは気付かずまだ姫だと思って話し続けた。

翔『あいつの涙見ると余計イライラしちゃってそれからも何度も殴ってしまった。そして俺、中出ししたんだ。そしてあいつにも中に出したから妊娠したら俺の子だって言った。』

その言葉を聞いた毅は

毅『お前、今から出て来い。』

低い声で言った。

その瞬間電話は切れた。

その後何度も何度もかけたが翔の携帯も電源が切られていた。

その間、泣いている姫はずっと美紗子のことを考えていた。

姫がこの前辛いときに一緒にいてくれて辛いときだからこそ笑顔を見せてくれたこと。

でも今の自分は何もできないということが悔しくて悲しくてたまらなかった。

美紗子は弱いということを十分わかっていたので心配でたまらなかった。

毅は何かないかと美紗子の手帳を見ていた。

その手帳に自分のことが綴られている１週間前の日記を見て美紗子がいなくなっただろう原因の翔が憎くて憎くてたまらなくなった。

”あいつさえ何もしなければ今頃は美紗子ちゃん笑って俺らのそばにいたのに。”

それから何度も電話をかけたが翔の携帯の電源は入らなかった。