家に着き駐車場を見ると美紗子の車がないことに２人同時に気付いた。

姫『……いない。』

そう言いながらも電気のついていない部屋に向かって走って階段を上がった。

鍵を開け、電気をつけるとその部屋の状態に毅と姫は絶句した。

めちゃくちゃに荒れた部屋。

そして、何かがあったんだと察知した。

姫は無言でその場に座り崩れた。

毅は不安な気持ちを抑えながら部屋を少しずつ片付け始めた。

”なにか片付けたらわかるかもしれない。”

その様子を見て姫も毅を手伝い始めた。

棚にあったものや棚の上にあったもの、洋服のおいてあるところのだいたいの場所の位置を姫は覚えていたのでそこに綺麗に入れなおした。

物や洋服で散乱していた床を片付けて出てきたものは何もなかった。

ただ、バッグや財布は置いたままで車のキーと携帯だけがないことに２人は気付いた。

毅『どう思う？』

姫『彼氏と何かあったか、その前になにかあったか……』

毅『いや、俺の家から直接彼氏の家行ったからその後だよ。バッグあるし…帰ってきてからだと思う。』

そして２人は無言で考え込んだ。