美『昨日のことだけど、ごめんね。逃げちゃって。頭まわらなくてさ。全然気付かなかったけどほんとに嬉かった。ありがとう。わたしね、彼氏がやっぱり大切なんだ。孤独を救ってくれたって言い方はかっこよすぎるけど淋しいとき一緒にいてくれた人だし。だから裏切るってか別れることはできない。毅くんのことも大好きなんだけど━━。ごめん。』

そう言うと

毅『わかった。これで進めるよ。』

と明るく言った。

そして毅も全て話した。

毅『百合のことがあってからさ、俺めちゃイライラしてて。自分にももちろんしてたんだけど。それでめちゃ適当な生活送ってたんだ。友達とかその日会った子とかと色々関係もって過ごしたんだけど、やっぱ隙間ってか満たされない毎日って感じで。楽しかったといえば楽しかったけどなんかキツイみたいなね。それからりんごが来て、美紗子ちゃん達が来て何か満たされるようになって、いつの間にか遊ぶことより美紗子ちゃんの姿見て、一緒にいるほうが楽しくなっちゃって気付いたんだ。あ、好きなんだって。前に彼氏の姿見たときくらいかな。あれくらいから意識してたんだと思う。あのとき、実は結構へこんじゃって。という感じでした。』

と明るく笑いながら言う毅に美紗子は黙ってうなずいていた。

激しく揺れ動いている自分の心を動かしたくない、さっき言ったことを貫きたい、そう思っていた。

だが、無意識に目からは涙が流れてしまった。

嬉しくて。

そして自分の本音に従えないのが辛くて。

”わたし、やっぱり毅くんのことが好きなんだ━━。”